かさ

《ゼニヤのホンキ》 2024.4月号より

持ちたくなる傘って、どんなモノ?

錢屋本舗本館の事業のひとつ『共創型モノづくりこの指とまれ』は、簡単に言うならば「こんなモノがあればいいな」、「こんなのが欲しい!」をカタチにしているプロジェクト。
今回はその中から生まれた“テキスタイルデザイナーと作る傘”の展示販売会を開催します。


そもそもの始まりは
「雨の日も晴れの日も晴れやかな心で歩きたい」、
「明日は雨か…という気持ちを高めてくれるような傘が欲しい」。そう思ったのがきっかけです。
雨が降れば雨傘をさし、強い日差しのときは日傘をさす。“自然”と密接な関係がある傘。
どんなモノならばそのような気持ちになれるだろうかとの想いに応える為に、自然からインスピレーションを得られているテキスタイルデザイナー島あゆみさんに制作をお願いすることにしました。


傘をさすシーンで、島さんがデザインした世界がパッと広がっていたら、晴れの日も雨の日も自然の喜びを感じて、やさしい気持ちになれるはず。まるで心地よい空気に包まれるような、森林の中で呼吸しているような、そんな気持ちにだってなれるかもしれません。

ゼロから始めた傘作りは日傘にするか、雨傘にするかを決めることからスタートしました。
そこから傘を組み立ててくれた小野内商店さんや、ハンドル(手元)の製作を協力してくれた賀來寿史さんがこのプロジェクトに賛同してくださり、ついに完成した晴雨兼用傘/長傘。
「ハルノカゼ」「ヒカリノカケラ」「キギノシタ」と名付けた3種類のデザインの傘を作りましたが、生地の取り方やハンドルの組み合わせ、ひとつとして同じものはありません。

展示販売会の会場は、錢屋ベースソソラソウ。
オリジナルのテキスタイルから、熟練した職人の丁寧な手仕事を積み重ねて生まれた傘達に会いに来てください。
長く日常に寄り添い続けられる、どなたかの1本になりますように。(文・合田)