《ZENIYA’sネイバーさん》
平岡 妃女さん 2022.9月号より
共通の価値観で繋がる心の距離のご近所さん。見つめ直した価値観と共に、人と暮らしをご紹介します。
「他者と比べず自分の役目を全うしたい」
平岡妃女さん
錢屋本舗本館と共通の価値観をもつ、“ZENIYA’sネイバーさん”。前号にて”ZENIYA’sネイバーさんとは”をお伝えしましたが、本号から不定期に、実際のネイバーさんをご紹介してまいります。
今回は平岡妃女さんです。普段より “ひめさん” とお呼びしているので、ここではひめさんと呼ばせてください。
皆さんにとって、家族でもなければ、友人でもない。でも心地よい距離感と感覚で繋がれる人っていませんか?ひめさんは錢屋本舗本館にとって数年、そのような存在で、今年は街角バザーの発案もいただき、共同主催しました。改めて“なぜ、ひめさんとそのような関係性でいることができるのか”を考えながら、今回はインタビューを行いました。
これまでの人生、数多くの経験を通じて取捨選択の決め手を感覚的に得られてきたひめさん。暮らしの中での “ちゃんとやっている、ちょっとしたこと” は普段の食生活でした。「なるべく自然なものを取り入れたい。でも、すべてなんて決めてしまうと窮屈になっちゃうから、無理なくできることをこつこつと」とおっしゃいます。詳しく伺ってみると、調味料はほとんどが愛用のモノ。それもすべて “経験” から。色々試した上で自分に合うものをみつけたそうです。それを、どこからか借りてきたような言葉ではなく、ご自身の経験を基に話してくださる言葉には説得力があり、惹きこまれました。
そんなひめさんに「素敵だと思うヒトは?」と伺うと、「周りのことを考えているヒトですね」と一言。過去に “専門家には敵わないな・・・” と、昇華しきれない想いになった時に、“自分の役目はどこにあるのだろうか?” と向き合ったそうです。そして、たどり着いた考えは、誰もが同じ方向を向きながらも、そのヒトだから、ひめさんだからこそできる仕事を全うする、ということだったそうです。そんなひめさんこそ “周りのことを考えるヒト” だと感じました。
誰しも誰かと比べたことはあると思うのですが、比較し羨んだり嫉んだりしてもどこか空しくなるだけで豊かさなどは得られません。錢屋本舗本館には、大切にしている #比較しない 自分の基準 という価値観があります。その「自分の基準」についても、周りのことを考え、自分にとっても気持ちの良い選択を行うことができるひめさんはやはり素敵だと感じました。
ひめさんには時々閃きがあり、挑戦してみたいことがあるそう。いつかそんな挑戦に触れる機会があるかもしれません。(文・中島)
【Profile】
1964年、島根県奥出雲の中嶺山峯寺の三女として生まれる。茶道三斎流師範であった父と、精進料理人であった母の影響を受け、茶道と精進料理を学ぶ。趣味は琴。現在は清風学園邦楽部の外部顧問を務める。