《錢屋カフヱー カフェタイム》 2022.10月号より

音が誘う尊い時間

「ステレオの音がとても気持ちよかったです!」と、笑顔で話して下さるお客様。私たちスタッフが幸せだなあと思う瞬間です。錢屋カフヱーには古いオーディオセットがあり、クラシックやジャズの名曲をBGMとして(毎週、火曜日には歌謡曲も)お届けしています。オーディオに詳しいお客様から日々学ばせていただくことも多く、会話も弾みます。「これは僕らの憧れのMacintosh MC2600だ。すごいね!」など、音楽を愛する方々が優しく声をかけてくださるのです。心地よい音を聴くと、だれもがうっとりするものですね。そんなかけがえのない「繋がり」を大切に思います。 


 古来より音楽には「魔力」があり、竪琴(ハープ)は、紀元前の昔から癒しの「薬」として用いられていました。ギリシャ神話に登場するオルフェウスは竪琴と歌声の力で冥界にいくことができたそう。「音」の世界は実に神秘的です。


  併設する錢屋ギャラリーは多目的空間として、さまざまなイベントを開催しております。こちらには1980年代のスピーカーElectro-Voice PATRICIAN 800、真空管アンプMacintosh MC60を設置しています。


私は、ちょっぴり疲れたときに、ほんの数分ここで音楽を聴きます。天井が高い空間なので上質な音が柔らかく響きます。まるで大自然の中で森林浴をしているような心地よい気持ちに。


みなさんのお気に入りの音楽(音)との出会いがあるかもしれません。芸術の秋、カフェの美味しいコーヒーと共に、空想の世界に旅をするように過ごしてはいかがでしょうか。(文・伊藤)