《ZENIYA’s ネイバーさん》濵﨑 寛和さん 2026.10月号より

共通の価値観で繋がる心の距離のご近所さん。見つめ直した価値観と共に、人と暮らしをご紹介します。


余白から生まれる、コーヒーと人のつながり

サボローゾ 店主 珈琲焙煎・鑑定士
濵﨑 寛和さん

今回ご紹介するのは、錢屋カフヱーの立ち上げからコーヒーを通して関わってくださっている、濵﨑寛和さんです。

錢屋カフヱーは、すべてを自分たちだけでつくるのではなく、それぞれの得意分野を持つ人と一緒に場を育ててきました。そんな関わりの中で、濵﨑さんには約10年にわたり、コーヒーを通して支えていただいています。

お客さんにとっての“楽しい”を考える

濵﨑さんがご自身のお店で大切にされているのは、「お客さんに楽しんでもらう」こと。どうすればもっと利益を上げられるかではなく、ギブの精神で、どうすれば心地よく過ごしてもらえるかを考えるそうです。お客さんに喜んでもらうことを大切にする姿勢は、長く人に愛されるお店づくりにもつながっているのだと感じました。そして、その考え方はコーヒーづくりにも表れています。

100ある情報を、あえて90で止める

コーヒーの個性を最大限に引き出すことはできても、すべてを出し切ってしまえば、料理やチョコレート、音楽、空間が入り込む余白がなくなる。だからこそ、あえて余白を残す。ペアリングでは、何を足すかだけでなく、何を足さないかまで考え、味を組み立てていくそうです。また、「飲んだ時に、作った人の顔とか店が思い浮かぶものを作れるかどうかがキーになる」ともお話してくださいました。コーヒーそのものだけではなく、人や空間まで含めて、その場所ならではの体験をつくる。濵﨑さんが大切にされているのは、味の完成度だけではなく、そこから広がる人とのつながりや、その場に生まれる時間なのだと感じました。

「わび茶」にも通じるような、引き算のコーヒー。濵﨑さんの淹れるコーヒーがなぜこんなにも心に残るのか、なるほどと感じました。お話を伺ったあと、また濵崎さんのコーヒーが飲みたくなりました。(文・小山)