《ZENIYA’s ネイバーさん》長谷川 憲司さん 2026.7月号より

共通の価値観で繋がる心の距離のご近所さん。見つめ直した価値観と共に、人と暮らしをご紹介します。


春を仕込む人

錢屋塾 味噌づくり教室
六甲みそ製造所 取締役会長

長谷川 憲司さん

錢屋本舗本館と共通の価値観で繋がる心のご近所、”ZENIYA’sネイバーさん”。今回ご紹介するのは、芦屋の地で長く味噌づくりを続ける、六甲みそ製造所の長谷川憲司さんです。

会社の門をくぐると、丁寧に手入れされた庭木や緑が迎えてくれます。一般的な工場の印象とは少し異なり、芦屋の街並みにもどこか馴染む穏やかな佇まい。長谷川さんもまた、自然体で気さくに迎えてくださいました。毎年恒例の錢屋塾味噌づくり教室では、知識だけではなく、食の豊かさや暮らしの感覚を届けてくださる存在です。

「気温を感じながら仕事をするんです」。長谷川さんの言葉が印象的でした。味噌づくりは数字や分析だけでは測れず、その日の気候や湿度、空気を肌で感じながら向き合うことが大事だそうです。同じように仕込んでも季節や環境によって変化するからこそ、五感を使い自然に寄り添うことが大切だと話してくださいました。また、「自分が育ったところで育った材料で造ったものを食するのが、一番おいしい」という言葉も深く心に残っています。旬のものを続けて食べ、自分に合うものを知ることが身体のエネルギーとなり、暮らしを整える、そんな想いが味噌づくりに込められています。

取材をお願いした理由のひとつと言っても過言ではないのが、谷川さんのアクティブな一面。ツーリング、スキー、ダイビング、山歩き、自転車と趣味は実に多彩です。お写真を見せていただきながらお話を伺う時間は楽しく、仕事の時とはまた違う少年のような表情が素敵でした。自然を感じ、人生を楽しむ姿勢は味噌づくりにも通じているように思います。

味噌を育てるように、暮らしも人生も丁寧に重ねていく。長谷川さんの言葉や生き方には、そんな豊かさが詰まっていました。(文・宮田)