UEMACHI & LIFE 2025.8月号
北川慎也さん
赤松種苗株式会社 店長
10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。
創業216年種から始まるあらゆる物事を届ける
うちは種苗屋としては、1809年(文化六年)創業で、今年で216年になります。もとは平屋の店舗でしたが、ビルに建て替えて、昨年リニューアルオープンしました。
新しいお店のコンセプトは、「種から始まるあらゆる物事」。現在は、1階と9階にある店舗での種苗や園芸用品、観葉植物などの販売を中心に、ワークショップや空間のグリーンコーディネート、グリーンプロデュース、レンタルグリーンなど、幅広い事業を展開しています。
一番の強みは、日本はもちろん世界中の野菜の種を、どこよりも豊富に揃えていること。中には見たことも聞いたこともないような珍しい種もありますが、収納スぺ―スの都合上、今は400種類ほどを店頭に並べています。苗は季節で入れ替え、多いときは60種類ほどあります。
僕は会社に入って5年目。もとは営業担当でしたが、リニューアルに向けて店長になりました。大変だったのは、ビルが完成して商品を搬入してからですね。想定より数が置けなかったり、9階は風が強くて植物が倒れたりと、実際にやってみて初めてわかることばかりでした。
今後の目標としては、種苗卸というアイデンティティを守りながら、他の事業も拡大していくこと。野菜も観葉植物も扱い、圧倒的なジャンルの幅広さは他の園芸店にはない強みです。お客様に「赤松種苗に行けば何かあるかも」と思っていただけるようなお店を目指します。
天王寺のこの場所で長年営業してきたので、昔から来てくださるご年配の方や、親子三代で通ってくださるお客様もいらっしゃいます。園芸店でこうした客層は珍しいと思いますから、これからも大切にしていきたいです。一方で、若い世代にももっと知ってもらえるようにSNSを始めたり、近隣のイベントに参加したりしています。ここは「夕陽丘」という名前の通り、9階の店舗から見える夕陽がとてもきれいです。野菜の種や植物探しと合わせて、ぜひ見にいらしてください。(取材・山田/前田)

