UEMACHI & LIFE 2024.12月号
播本 有史さん
NATURAL LIFE STATION キャロット 店長
10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。
お客様に選択肢と命をつなぐ楽しい時間を
キャロットは1933年に始まった大王商会の店として1986年にオープン、2008年に現在の二階建てスーパーの形にリニューアルしました。大王商会が「玄米を食べて健康になりましょう」と推進していた流れから出来たとはいえ、こだわりの自然食品を扱う店は当時珍しかったと思います。ただ、厳選しつくしたものだけを揃えたら皆が納得してくれるわけではなく、お客様それぞれの生活があり、その商品を喜ぶ人もいれば、支持しない人もいる。そのことを理解して、できるだけいろいろな商品を取り揃えるのがうちの方針で、お客様が「今日はこっちを買おう」「次はこれにしてみよう」と考え、納得して、選択肢をもてることを大切にしています。
例えば、スタッフがあえておすすめすることはしませんが、うちのお店にはマーガリンも置いています。一般にトランス脂肪酸が身体に良くないと言われていますので、「自然食品店やのになんで?」となるかもしれません。忙しい日々の中、使いやすいという点でバターよりもマーガリンを買いたい方もいます。他にも、基本的には私たちが良いと思った商品を置いていますが、長くある店なのでずっと同じ商品を使い続けている常連さんも多いです。新しく登場した商品の方が、昔から置いているものより安心安全な場合もありますが、その選択肢はできるだけ残すようにしています。
僕は16年前に入社しました。幼い頃から食事に気を遣う母に育てられたので、自分の健康な身体の素地を母に作ってもらったと感謝しています。その意味ではキャロットは自分のための店でもあり、商品選びはいつも真剣勝負です。
買い物が「作業」ではなく、「楽しい時間」になるよう、お店づくりに努めています。小さい生産者さんとの取引も多いので、来店してもらったら珍しいものがきっとあります。
仕入れて売るだけの店ではなく、お客様にとっての楽しい時間をキャロットで作りたい。食卓を囲むことは自分の命を守り、子どもに命をつなぐために大切なこと。今後も「僕らが油断すると、どこかのお家の団らんがなくなる!」という意識でやっていきたいです。(取材・山田/前田)

