谷町アロハ店主 合田 耕作さん

UEMACHI & LIFE 2023.9月号

合田 耕作さん
谷町アロハ
店主

10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。


人肌感覚の街の魅力を育て発信していきたい

この街と関りが深くなったのは2006年ごろ。
生玉前町に広告の企画を行う個人事務所と住居を兼ねた部屋を借り、1人で仕事と生活を始めました。
数年後、結婚を機に会社を作り、子育てを始め、上本町は仕事の拠点となり、家族と暮らす街となり、そして帰ってくる場所になりました。


その後10年、天王寺・梅田・難波といった大阪の大きな街では開発が進み、新しい施設なども完成し、大きく変化してきています。
一方上本町には、ほとんどといっていいほどビッグプロジェクトはありませんでした。
しかし上本町は、都会の雰囲気と活気を保ちながら、古き良き昭和な大阪を残しているのかなと感じています。
それがこの街の魅力になっているのではないでしょうか。

昨年(令和4年)、古着物を使ったアロハシャツの製造販売をする「谷町アロハ」という店舗を真法院町で構えました。
ネット販売から実店舗になって大きく変わったのは、地域との関りです。
私は、この場所を「地域と地域外の人たちをつなぐ役割を果たす場所にしていきたい」と考えるようになりました。
ウクレレ教室を始めたのもその「想い」から始めたことの一つです。

今年(令和5年)に入って「英語落語」を行う寄席と、英語落語を習う「道場」をお店で開始しました。
私はこの地域に訪れる様々な人達が、気軽に楽しめる場所・空間が増えていって欲しいなと思っています。
すごい施設を造るのではなく、お寺でも、お寿司屋さんでも、和菓子屋さんでも、そのままでいいのです。
これまでと同様に営みを続けながら、この街に訪れた人が来て楽しめる「コト」や「モノ」があって、地域の人と交われて、国内外の人々が「行きたい」「来てよかった」と思う、そんな場所になればいいなと思います。

都会型・レジャー型ではなく、街やそこに住む人々の魅力を感じてもらえる人肌感覚の街の魅力を育て、発信していければと考えています。
一緒に取り組んでいただける方がいらっしゃったら是非、谷町アロハを覗きに来ていただき、共にこの街の未来を語り合いましょう。