UEMACHI & LIFE 2022.12月号

北村 浩さん
株式会社近鉄百貨店
上本町店長

10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。


同志が集って街を活性化すれば
上本町の未来は変わる

 天王寺区は、現在もタワーマンションなどの建設が進むなど、大阪市の中でも人口が右肩上がりで、それも高齢者層だけでなく、幅広い年齢層で増加しています。

また、上本町駅(最寄り駅)の乗降客数は西宮北口や千里中央よりも多いという調査結果もあり、まだまだ活性化していける街であると感じています。

 当店には1日平均約2万人のお客様にご来店いただいております。

今年の9月に近鉄百貨店のアプリを通じて「あなたの推しコメ大募集」という企画を実施しました。
これは、近鉄百貨店にまつわる想いやエピソードを募集する企画で、たくさんのコメントが寄せられました。

共通していたことはお客様が百貨店で様々な思い出をつくっておられ、私が想像していた以上の思い入れをお持ちだということです。
一つ一つのコメントに大変感銘し、嬉しく思いました。

 同様に上本町店が思い出に残る場所になれば、愛着も深まりさらに街全体が元気になることでしょう。

たくさんの若い人たちが上本町を訪れて、楽しい思い出をつくり、数年後に懐かしさを感じて立ち寄ってくれるような場所になれば、本当に素敵ですよね。

そうした人があふれる街になるための一端を当店も担い、我々のお店は上本町のハブになりたいと思います。

 現在、天王寺区に隣接する地域に密着した商品をバックグラウンドも含めて紹介するスペースを設けて、地域の魅力を発信するプロジェクトを進めています。

これらの地域でお住まいの方やお仕事に従事されている方でも意外と知らないメイドイン天王寺などの逸品を取り揃え、当店にしか並ばない価値のあるものをお伝えしていくことで、上本町の活性化につなげていきたいと思っています。

 私は近鉄百貨店に勤めて30数年になりますが、上本町店勤務は初めてです。昔からよく話に聞いていたのは、「上本町店のお客様は上品で優しい」ということ、また販売員も「客筋がとてもよい」と感じています。
そのような方々が集う上本町だからこそ、多くの方々と連携し、同じ方向を向く同志の和を広げていけば、もっと楽しい街になるでしょう。

 たくさんの同志を増やして少しずつ形にしていき、10年後の未来に向けて一緒に進んでいきましょう。
我々も、今までの百貨店ではなく、より地域の皆さんの暮らしの変化に寄り添い、新たな価値を創造、提供できる店づくりを目指します。