UEMACHI & LIFE 2022.8月号
奥田 康信さん
桃陽電線株式会社
代表取締役
10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。
桃陽地区の名を社名に
石ヶ辻から世界へ
弊社は2022年で創業77周年を迎えました。当初は電線問屋として電線や塩ビパイプ等の製造販売をしていました。
現在は石ヶ辻町に本社、天理、八尾、埼玉、岡山、九州、名古屋、松江に事業所を置き、3ヶ所の国内工場でエアコン関係の被覆銅管やアルミ管などを生産し、日本全国と海外へ供給しています。
会社名の桃陽は、この地域の桃陽地区から。
やはり先代が商売を始めた創業の地ですから愛着があったのでしょう。
弊社には台湾にグループ会社もありますが、台湾では桃が大変縁起が良くこの社名で良かったです(笑)。
私は47歳の時に、この会社を継ぐことになりました。
チャンスをもらったのでやるだけやってみようと考え、いろんな社員に助けられながらここまで続けてくることができています。
今、社員の中には、台湾から2人、インドネシアから1人、ベトナムから5人のスタッフがいます。
優秀な彼らに活躍してもらう新たな挑戦として、日本の良いものを台湾をはじめ東南アジアから世界へ輸出しようとしています。
台湾からのスタッフが母国に対してのビジネスとなるとさらにやる気を出してくれて、これからの展開が楽しみです。
私は上宮高校出身で、30年以上前にも上本町に毎日通っていました。
当時は様々なものが混在した雑多な町という印象でしたが、今は大きく変わりましたね。
一昨年、会社の寮がある上之宮町に短期間だけ住んだのですが、どこへ行くにも便利で、意外に緑も多く、徒歩20分圏内で生活に必要なものがほぼ揃いますから、まさに「上本町」というコンパクトシティだと思いました。
うちは夏が繁忙期で土曜出勤時は社員と一緒にこの界隈で昼ごはんを食べます。
韓国、インド、アメリカ、日本と幅広いジャンルの料理店が集まっていますし、世界を上本町で食べ歩けるのも面白い(笑)。
上本町の未来を考えると、大阪で上本町とよく似た町はないと思いますから、唯一の町づくりをしてほしいし、協力したいと思います。
新歌舞伎座のような文化的施設がもう少し増えたらもっと良いかもしれません。
うちの子どもたちが小さい時は生國魂神社の祭りを毎年楽しみにしていましたから、あの盛り上がりも復活させてもらいたいですね。
コロナが落ちついてインバウンドが増えるのも、町には良いことだと思いますから期待しています。
(取材・正木)