UEMACHI & LIFE 2022.2月号

宮﨑 幸一さん
株式会社近鉄百貨店
上本町店長

10年前と今とで、この町は何が良くなって何が悪くなったか。
そして10年後は?暮らす、働く、楽しむ、学ぶ、育てる、育つ、老いを迎える…。
この町を行き交うさまざまな人が、それぞれの思いで描く10年後の寄せ書きです。


上本町のコミュニティーの場として
百貨店を再生

 昨年5月末から近鉄百貨店上本町店長を担当しています。
どうぞよろしくお願いします。

 私は入社して40年近く経ちますが、上本町店勤務は初めての経験です。
ただし、昨年12月号で執筆された松原様のお話にも出ておりました「近鉄劇場」跡地に建設された「上本町新歌舞伎座ビル(上本町YUFURA)」の商業テナントの誘致業務を当時担当しておりました。

2010年8月末に開業しましたので約10年が経過したことになります。10年前でも、関東の方と商談しても上本町の土地柄の良さは良くご存じで、出店に魅力を感じて頂ける方が大変多かったと記憶しています。

当時からタワーマンションが建設されるなど駅周辺はマンションも多く、また大阪でも有数の文教地区でもあることから、居住エリアとしての評価が非常に高い地区でした。

それから約10年、更にマンションやスーパーマーケットが増え続け、比較的若い世代家族の移住も多く、今後も人口が増え続ける大変有望なエリアだと感じています。

 そのような中、直近の私ども百貨店は新型コロナウイルス感染拡大の影響をまともに受けました。

本来なら多くのお客様にご来店頂き、店内がごった返すくらい賑わうことを目論んで、様々な販売促進策や広告P R に努めるところですが、出来るだけ密を避けることに力を費やしました。

加えて海外からのお客様も大幅に減少するなど厳しい状況が約2年間続き、やっと最近になってお客様が戻りつつある状況ですが、今しばらくはまだ予断を許さない状況です。

 しかし、少子高齢化や人口減少の中で、リアル店舗からWEBへ、モノ消費からコト消費へとお客様ニーズの急激な変化に対応をしていかなければ、百貨店の未来は無いと考えています。

上本町店の目指すべき方向は、「モノ」を売るだけではなく、足元商圏や沿線にお住いの方々の暮らしを豊かにする沢山の「価値」を提供できる「百価店」を目指し、地域の皆さまの「コミュニティー」の場やサービス施設など、買い物以外でも気軽に立ち寄っていただける空間づくりが必要であると考えます。

「日常の上質感」をキーワードに普段の暮らしに役立ち、彩りを添え、10年後にこの上本町店が今以上に地域の皆さまに愛され、当てにされている姿を目指したいと考えています。

「この店に有ったらいいな、便利だな」と思われる施設やサービス、お店の情報など、皆さまのお声を是非お聞かせください。ひとつひとつしっかりと耳を傾けて行きたいと思いますのでよろしくお願いします。