《ゼニヤのホンキ》 2026.2月号より
錢屋寄席のすゝめ
錢屋本舗本館では、オンラインで行うイベントはあまりありません。そこには「体感してほしい」という思いがあります。人と触れ合ったり、実際にモノを手に取ってみたり、身体を動かしたり、その場で経験し感じることを重要視しています。
また、イベントには「生」の良さがあります。弊社が開催するイベントの中でも『錢屋寄席』はまさにそうで、初めて寄席に来てくださった方、今までCDでしか落語を聴いたことがなかった方々が仰るのが、「実際に観ると違う」です。
「噺にのめりこめた」「表情や動作を近くで見ることができて、臨場感があった」「会場との一体感が良い」などアンケートでよくお見掛けします。落語家さんは何の噺をするか初めから決めているのではなく、本題に入る前の枕で参加者の反応をみて演目を決めるそうです。つまり会場にいるお客様と落語家さん揃って作られる雰囲気があり、それはやはり会場にいる人にしか体感できないその場限りのものなのです。
なぜここで?
そもそも錢屋寄席開催のきっかけは、生國魂神社の境内が上方落語発祥の地であるのに、この地には寄席がなかったことです。生國魂神社の参道に位置するこの地で落語を体験して欲しい。そんな思いがあり多目的ホールに工夫を加え、舞台には松羽目、高座台、金屏風を準備し寄席の会場を作っています。会場入り口の暖簾、提灯、看板、のぼりも特注品です。
また、『錢屋寄席』では上方落語、江戸落語両方楽しんでいただけますので、噺し方だけでなく、同じ噺でも内容が東西で少し違うことに気づくこともあるでしょう。専用の寄席小屋ではありませんが、お客様に本物の体験をしていただけるようホンキで取り組んでいますので、是非通年でお越しいただけると幸いです。(文・前田)

