反ってます

《ゼニヤのホンキ》 2024.3月号より

3月1日(金)・2日(土)うえほんまち錢屋ホールで開催する『SDGs舞語り』。脚本・演出を手掛ける北林佐和子さんは、この舞台で〝新しい伝統〞を表現します。

創作舞踊家として活動されている伊瑳谷門取さん。「古典的な日本舞踊の、ゆっくりとした動きばかりだと、今の世の中には、特に若者には響きにくいのが現実だ」と話します。「日本人としてのDNAが無くなってしまわないように、守りつつもチャレンジしないと」。そのひとことには、伝統芸能のありかたを、未来へとつなげ進化させていく志を感じました。同じく本公演に出演する、門取さんの娘・實川ふうさんはコンテンポラリー×日本舞踊(コンテ日舞)というジャンルで、現代のリズムを取り入れた伝統的な表現をされています。これがまた、うっとりしてしまうほど魅力的。しなやかに伸びる手足に、くるりとひるがえる華やかな衣装。舞が、私たちに語りかけてくるようです。

川から海へと流されるペットボトルが擬人化されたり、〝親子の断絶と和解〞を実の親子同士で演じたりと、本公演のテーマである〝SDGs〞を、舞で表現するとどうなるのかが注目ポイント。さらにプログラムの最後には、一般の方から応募を集い、練習を重ねた踊りを披露!客席のみなさんとも、心をひとつにすることで完成する演目です。日本舞踊×演劇×和楽器の、新たな伝統芸能を、ぜひ体感してみてください。(文・尾松)