《ゼニヤのホンキ》 2026.6月号より
本質に触れる、茶懐石の学び
錢屋塾が大切に育んできた講座のひとつ、裏千家の懐石料理をあずかる『懐石辻留』平晴彦氏をお迎えして開催する茶懐石勉強会です。
本講座は単なる体験ではなく、茶懐石という文化の本質に触れ、理解を深めていくための学びの場です。旬の食材を生かし、素材の持ち味を丁寧に引き出したお料理。その一椀一品には、季節、設え、もてなしの心が静かに息づいています。お茶事の流れや背景を紐解きながら、作法を軸に、その意味を自らの中に落とし込んでいきます。表面的な知識にとどまらず、積み重ねることで見えてくる本質に触れる時間です。
平先生は穏やかなお人柄で、場の空気をやわらかく和ませてくださいます。その中で、参加される皆様がいきいきとした表情で学びを深め、この時間を楽しみにしてくださっている様子は、私たちにとっても何よりの喜びです。一方で、この講座をお預かりする責任の重さも常に感じています。毎回緊張感を持ちながら、より良い場をお届けできるよう丁寧に向き合っています。
また、平先生のお話に耳を傾けながら、通常は見学することのできない水屋の動きや設えを間近で見ることができる点も、この講座ならではの魅力です。普段は触れることのできない領域に目を向けられる、貴重で特別な機会となっています。
錢屋塾が大切にしているのは、その場限りではない、本質に触れる学び。この講座は、その想いを静かに体現する取り組みのひとつです。限られた機会だからこそ、一回一回を大切に、心に残る学びの時間となれば幸いです。(文・宮田)

