《錢屋カフヱー カフェタイム》 2023.3月号より

コーヒーをこよなく愛した音楽家
ヨハン・セバスティアン・バッハ

3月21日は“音楽の父”バッハ(1685-1750)の誕生日。バッハは大のコーヒー好きで遺品には、楽器や楽譜のほかになんとコーヒーポット5つとカップが出てきたそうです。

錢屋カフヱーでは、店内にバッハの音楽を流し“バッハコーヒー”をご用意して誕生日をお祝いします。

バッハが1723年から65歳で亡くなる1750年までの間過ごしたライプツィヒ。町の中心地にはカフェバウムという1720年創業のドイツ最古のカフェがあります。ここはドイツのコーヒー文化の発祥の地で、芸術家が集うサロンのような役割をしていました。

バッハもこの店の常連で、50歳の時にコーヒーを飲みながら作曲したのが『コーヒー・カンタータ』です。コーヒーが大好きでコーヒーのことばかり考えている娘とコーヒーを何とかやめさせようとする頑固な父とのやり取りがユーモラスな小喜歌劇です。

コーヒー・カンタータ第4曲に「千のキスより甘くて、マスカット酒より甘いわ」とソプラノが歌う魅惑的な楽曲があります。珈琲鑑定士 濵﨑氏にこの曲を鑑賞していただきましたところインスピレーションが湧きあがり誕生したのが“バッハコーヒー”です。一口飲むと心に恋するようなときめきを感じるのはバッハと濵﨑さんのコーヒー愛がつまっているからでしょうか。

3月は錢屋カフヱーでバッハの名曲とコーヒーの饗宴をどうぞお楽しみくださいませ。(文・伊藤)