《錢屋カフヱー カフェタイム》 2021.6月号より

錢屋カフヱーのお気に入りスイーツはありますか?

錢屋カフヱーの定番スイーツの一つ「クラシックチーズケーキ」。
皆さんは召し上がられたことはありますか?

ぎゅっと目の詰まった濃厚な質感ながらも、フォークがすーっと入り、クリームチーズの爽やかなコクと酸味が感じられます。
しつこくない甘さで、もう1つ食べられそうな当店自慢のチーズケーキです。

錢屋カフヱーのスイーツには、派手さはあまり無いかもしれません。
「素朴さ」「小さいころにお母さんが作ってくれた」そんなイメージで、お客様に大切に長く愛されたい。
ここに来たら、いつでもおいしい、懐かしい味わい。
そんな存在になれるよう、錢屋カフヱースタッフは心を込めて日々スイーツを作成しています。

当店のクラシックチーズケーキの作り方には、少しこだわりがあります。

北海道十勝産100%の良質な生乳から作られたクリームチーズを使用し、ミネラル分を精製で取り除いていないオーガニックシュガーと滑らかになるまでしっかり混ぜ合わせます。
ここでチーズのダマが残ると口当たりに影響してしまう為、丁寧に状態をみながら行います。
その他の材料を加えて、空気の抱き込み具合も調整しながら、とろーりとした状態で型に流し入れ、オーブンで焼き上げます。

丁度いい焼き色が付き、つるっとした表面に仕上がれば、当店自慢のクラシックチーズケーキの完成です。



狂騒の時代、禁酒法

GWの緊急事態宣言を受けて、錢屋カフヱーも残念ですが酒類の提供を停止しました。
ニュースでは『令和の禁酒法』といった見出しが出ていましたが、そもそもの禁酒法とは何を指しているのかご存知でしょうか?

一般的に禁酒法というと、アメリカにおける禁酒法を指します。
禁欲や勤勉を尊ぶキリスト教徒、清教徒の禁酒運動から始まりました。
一部は過激化し、女性活動家のキャリー・ネイションが賛美歌を歌いながら手斧で酒場を破壊してまわったエピソードはとくに有名です。
宗教的側面のみならず、アルコールの過剰摂取が家庭生活にも支障を来すと訴える婦人活動や、第一次世界大戦下での節約志向、ビール業界を支配していたドイツ系移民への反発なども相まった結果、憲法修正第条が成立、禁酒法ができました。

1920年から施行された禁酒法は、酒の製造、販売、輸送などを禁じたものです。
飲酒自体を禁じたものではなく、抜け穴の多いザル法でした。
成立から施行まで1年の猶予期間があったため大量に買い溜めする人が続出し、かえって消費量が急増します。
しかも合法的に入手できないとなると、密造・密売・密輸の『三密』が盛んになる始末です。
不健全な酒場を廃止することが目的の一つだったにもかかわらず、より不健全な非合法酒場が横行し、映画『アンタッチャブル』で知られるシカゴのアル・カポネなどの有名なギャングスターが誕生します。
ギャングは執行官や政治家を買収し、ギャング同士の抗争によって治安は悪化しました。

敬虔なキリスト教徒の運動から始まり、フーヴァー大統領からは『高貴な実験』と呼ばれた禁酒法。
それは狂騒の時代を生んだ悪法として1933年に廃止されました。
それに比べたら令和の禁酒法は素晴らしいものだと思って溜飲を下げることにしましょう。