創造とは?破壊の反対から考えてみる。
国語のテストでは、「創造」の反対は「破壊」が正解だと教えられます。しかし、この整理は創造の本質を捉えているでしょうか。現実には、破壊を伴う創造も、伴わない創造も存在します。それにもかかわらず、反意語として固定されることで、創造は「特別な人が無から何かを生み出す行為」と誤解されがちです。私はむしろ、創造の反対は「思考を固定化する教育」ではないかと感じます。言葉の整理の仕方ひとつで、私たちの思考の可能性は容易に狭められます。その結果、試行錯誤や組み替え、意味の更新といった、身近で日常的な創造行為が見えにくくなってしまうのです。私が考える創造とは、既に存在する情報や経験、価値のあいだに、これまで意識されてこなかった関係を見いだし、新たな意味として成立させる行為です。創造は無から有を生むことではありません。同じ要素であっても、問いの立て方や視点が変われば、世界の見え方は一変します。その変化の瞬間に、人は創造を感じるのではないでしょうか。(文・正木)

