出会った人は味方

目の前の人を敵と味方に分けて考える人がいて、いつも苦しそうでした。競争社会ですから、それが当然だと思い込んでいるのかも知れません。常に誰かが敵ならば苦しくて当然です。その人に「戦うなら会うこともない連中と戦うべきだ」と言ったこともあります。30代の頃はいちいち突っかかってくる相手に「出会った人は味方だと思っている」と笑って言っていました。面白いもので、いつの間にか仲良くなるか縁が切れるかのどちらかになりました。この手の悩みは年齢と共に減り、それは切れる縁に構わなくなったからと言えますが、これでは薄情者のようですね。変えられるものは積極的に変えながら、変えてはならないものに気付くようになり大切にするようになった、と言った方が共感して頂けるかも知れません。40代では自分が定まってきたので相手がどうあれ気にならなくなり、50代からは本当に味方としか出会わなくなったように思います。60代に入り、切れていた縁が思いもよらぬことでまた繋がることがあります。生涯のつき合いになるかも知れない、これからの人間関係が楽しみです。(文・正木)