上からの目線で見てみる

上からの目線でみてみる

仏教に有情という言葉があります。意味を知った時に、お釈迦様の偉大さに触れた気がして感動しました。情(心の働き、意識)が有るもの、生きとし生ける全てのものを指す言葉です。仏から見れば人も蟻も同じなのだと理解しました。虫ケラという言葉は明らかに人が上から目線で昆虫を見下した言い方です。仏様はもっと上から、我々と虫達を同様に有情だと見ているのです。広大無辺、宇宙規模の視点と言えるでしょう。宇宙という概念が、科学が発達した現代とはまったく違う時代に、一切の有情を苦しみから救うことを決心し内観(心の探究)によって、その視点を持ち得たことになります。

H3型ロケットの打ち上げが再挑戦で成功しました。初号機の失敗の原因究明は困難だったようですが、それに協力したのが初号機に搭載され結果としては爆破によって失われた地球観測用先進光学衛星「だいち3号」の開発者だったそうです。失われた衛星の弔い合戦のつもりで協力したそうです。仏に準えることはできませんが、その志の高さを尊く感じます。(文・正木)