《ZENIYA’s ネイバーさん》山口さおりさん 2025.11月号より

共通の価値観で繋がる心の距離のご近所さん。見つめ直した価値観と共に、人と暮らしをご紹介します。


描くことを通して、人や街とつながる 

イラストレーター 山口さおりさん

錢屋本舗本館と共通の価値観で繋がる心のご近所、“ZENIYA’sネイバーさん”。
イラストレーターの山口さおりさんをご紹介します。

山口さんと錢屋本舗本館との出会いは2017年、オープンして間もない錢屋ギャラリーで開催された初めての個展でした。きっかけはスタッフとの会話。「絵を描いているんです!」という一言からギャラリーへ案内され、「素敵!」と感じていただいたことが始まりです。当時は会社員として働きながら活動の幅を広げていた頃で、その後、コロナ禍で開催を見送った2019年を除き、毎年個展が続いています。

錢屋本舗本館について伺うと「新しいことを取り入れながら、昔の素材も大切に活かしているところに共感します」と山口さん。約年の関わりの中で、街の景色も少しずつ変化してきたのを実感されているそうです。

また、錢屋カフヱーとのコラボも印象深い思い出のひとつ。特に「クッキー缶をつくりたい」と依頼されたときはとても嬉しかったそうで、「今ではクッキー缶もブームでいろんなお店から出ていますが、毎月中身が変わるなんて、当時はすごい発想と思った!」と振り返ります。お気に入りのカフェメニューは錢屋プリンと、ナポリタン。変わらない定番の味に安心感を覚えると話してくださいました。

描いていて楽しいモチーフもまた、職人やスタッフがひとつひとつ手作りしたもの。大量生産にはない温かみを感じられることが大切なのだそうです。「デジタルで便利に描ける時代ですが、紙とペンで描くことで、その温もりを絵に込められる気がします」と山口さん。アナログにこだわるのは、作品に手作りのあたたかさを残したいからなのかもしれません。

これまで描くことを通じて、人や街とのつながりを紡いできた山口さん。来年錢屋ギャラリーでの個第8しいッケ美味展開催は10回目を迎え、毎朝続けてきたスケッチは通算2000回に達する予定です。今年の2025年11月には8回目の個展を予定しています。これからも〝描くこと〞が、人と街を結ぶ架け橋となっていくのでしょう。(文・小山)

札幌生まれ。1997年より東京にて満員電車の山手線の乗客スケッチ400枚を描く。2006年より大阪を拠点に和菓子・食べ物・人・風景など作風を広げ、ポスターやメニューイラスト、商品やお菓子のパッケージ・カレンダー制作など幅広く活動。2021年2月より朝5時からインスタライブスケッチをスタートし、25年の11月下旬に1600回を越える予定。毎朝更新のインスタグラムは『@saoritime』で検索。