《錢屋カフヱー カフェタイム》 2022.1月号より

時間に追われない・時間を追わない

現代の暮らしの中では「火」に接する機会が減少し、ましてや「火を囲む」生活なんて縁遠くなっている、そんな気がします。
皆さんの中でも「火を囲む」ことが原風景のひとつとして刻まれている方がいらっしゃるのではないでしょうか。
ただただ何も考えずにゆっくりと時が流れるのを静かに過ごす、時間に追われない過ごし方は何よりの贅沢なひとときであると憧れます。

錢屋カフヱーでは、そんな時間を過ごしていただけたらと考え、冬になると店内にご用意しているのが「練炭火鉢」です。
近年ではバイオエタノールを使用した暖炉もあるようで、いつの時代も癒しの存在として大切な役割を担っていることがうかがえます。

錢屋カフヱーの店内に馴染みながらも貫禄のある練炭火鉢は物珍しいようで、来店したお子さまたちも興味深々。
安全のため専用の鉄枠を用意し、火鉢の上にはやかんをかけています。
〝シュンシュン〞〝コトコト〞と音を立て、お湯が湧いていることを知らせてくれるやかんも愛嬌があります。
見た目もあったかいですよね。

錢屋カフヱーでは練炭火鉢にやかんが定番ですが、皆さまが囲む火の上には何がかけられているのでしょう。
凍えるような寒さの日には「寒い」という言葉しか出てこないこともありますが、そんな日だからこそ火を囲みながら「あったかいね」と声を掛け合いたいものです。(文・中島)