《錢屋カフヱー カフェタイム》 2021.10月号より

紅茶の香りに誘われて、秋のひとときを

皆さんは、お仕事や家事がひと段落した時間、ホッと一息を入れるそんなタイミングで、何を選びますか?日本茶、コーヒー、紅茶、ハーブティー、お子様と一緒にジュースなどを召し上がることもあるでしょう。
錢屋カフヱーでは、今秋より、そんなひと時を充実させる新しいメニューをご用意しました。
「錢屋のアフタヌーンティーセット」です。

当店では、オープン当初より、紅茶専門店『芦屋Uf-fu』さんより選りすぐりの紅茶を仕入れ、ご提供しております。
現在4種類の魅力的な茶葉をご用意し、午後のリラックスタイムにぜひお楽しみ頂きたいと思っております。
Uf-fuさんの紅茶へ対する熱い想いや、取り組み、そしておいしさを皆さんにもぜひ感じ、味わって頂きたい。
そんな思いで新たなメニュー作りを行いました。

Uf-fuさんは現地の農園まで直接足を運び、心より美味しいと感じた茶葉のみを厳選し、直輸入しています。
フレーバーやその他商品にも天然素材の精油、ハーブ、スパイスのみを使用し、香りに対しても一途な想いをお持ちです。
自然な香りを大切にされているからこそ、店舗へご来店のお客様へ対する特別なお願いもされています。
また、輸入時の木箱を使用し、サスティナビリティへの取り組みも行われています。

そんなUf-fuさんの紅茶を引き立たせられるように、相性の良いスイーツを2種、スコーンとビクトリアスポンジケーキを作り、錢屋オリジナルプレートとしてご用意しました。
ランチ後の、また、仕事や家事の合間のホッとひとときに。
ぜひ錢屋のアフタヌーンティーセットでリラックスタイムをお過ごし頂けましたら幸いです。

ハロウィンに彷徨うかぼちゃ

10月、街にはハロウィンのかぼちゃの飾りが増えてきます。
当店でもかぼちゃのカクテル・モクテルをお出ししていますが、あのかぼちゃはなに?という方にバーテンダーのうんちく話を一つ。

ハロウィンは元々アイルランドを始めとしたケルトの祭です。
その昔ハロウィンの夜、あの世からきた悪魔が、酒好きのジャックから魂を奪おうとしました。
しかし彼は逆に悪魔を騙し、死んでも地獄に落ちないという契約を取り付けます。
やがて年老いて亡くなったジャックですが、酔って悪さばかりしていたため天国から拒否されます。
悪魔との契約により地獄にも行けず、この世とあの世の暗い狭間で彷徨うジャック。
彼は悪魔に頼んで地獄の火をもらい、近くのカブをくり抜いてランタンの灯りとしました。
これがジャック・オー・ランタンの起源です。

物語ではカブでした。
かぼちゃに変わった理由は、アイルランドの大飢饉により多くの人が移民したアメリカにあります。
アメリカにはカブがあまりなかったため、身近なかぼちゃで代用しました。
それが世界中に広がります。

アメリカで作られるウイスキーはトウモロコシが使われます。
スコッチやアイリッシュウイスキーで原料になる大麦は、かつてアメリカではあまり収穫できませんでした。
そのためアイルランドからの移民はトウモロコシで代用して作ります。
これが現在アメリカを代表するウイスキー、バーボンの形になっていきます。

大飢饉により国を離れなければならなかったアイルランドからの移民は、形を変えて祖国の伝統を残しました。
形にこだわらず思いを残すことで世界にそのミームを広げていく。
あのわら嗤うかぼちゃはそんなことを教えてくれます。