錢屋本舗本館

上本町人~上本町の愛され人~『森岡神宮店』

上本町には街を愛し、愛されている人がたくさんいます。
なじみあるあの人やあの店の上本町とのかかわりや歴史、自慢できること、
これからのことまで、根掘り葉掘りと聞きました!

\神祭具御造営 森岡神宮店/
宮匠 森岡 繁行さん

白木造りの神具に心を吹き込む

木曽の檜で作る白木の神具

うちは一般的な家庭用の神具(神壇、神棚、お社)から外祀り用も神具まで一通りすべて作っています。
出雲大社、伊勢神宮、三宝荒神宮、氏神様、お稲荷様などを祀るいろいろな神棚、神徒の方がお祀りされる神壇などです。
すべて白木造りで、昔からずっと木曽の檜を使っています。檜は産地で値段も木目も違いますが、やっぱり木曽の檜は作りやすいし、出来上がったときの白木の綺麗さがいいですね。ほとんどがオーダーメイドです。
店は創業して約80年。三重県出身の祖父が、神具店に弟子入りして独立し、最初は空堀商店街で店を始め、すぐに上本町にも店を出したそうです。大阪で神具だけでやっている店は20軒ぐらいです。

(白木が美しい神棚)

お祖父ちゃんの手仕事はやっぱりすごい

僕は三代目で、高校を卒業するときに家業を継ぐことを決めました。特に神具造りに興味があったとか、憧れがあったわけではないんですが、祖父や親父がやっているのを見ていたし、配達や納品を手伝っていたので自然な流れでした。2年ぐらい外で働いて技術を身に付け、今に至ります。
ずっと家族で仕事をしてきましたが、ほめられたことはなかったですね(笑) 。ただ、僕がお祖父ちゃんの仕事をすごいなと思うことは何回もありました。今は、仕上げ以外は主に機械ですが、昔はカンナやノコギリを使った手作業。でも、新しいものを納めてお祖父ちゃんが作った旧いものを引き取ったら、頑丈でなかなか解体できないんです。しっかり作っているんですよね。自分もふとしたときに、お祖父ちゃんや親父と同じようなことをやってるなと思うときはあります。受け継いできたものが何かはわかりませんが、神様を祀ものだからと特別な気構えを持つのではなく、使ってくれる人のことを思って心を込めて作っています。
(作業場は森岡さんの職人魂に火を点ける場所)

上本町の街並みを守りたい

昔は不要になった木くずを、家の前にドラム缶を置いて燃やしていました。最後の炭を近所の人が取りに来て自宅の掘りごたつに使ってたり、木くずを持って帰ってお風呂を炊く薪にしてはる家もありました。そういうご近所さんとの関わりは減りましたが、今も上本町はすごく住みやすいし、いい人ばっかり近くにいてくれます。顔もだいたい知っていますし、最近は町会のこともやってますが、 結構楽しいですよ。ただ、マンションが立ちだしてからは周辺の雰囲気は変わってきました。うちの前の通りの町並みは守られてる方なので、あまり変わってほしくないというのが本音です。

(檜のつみきも森岡さんの作品。木の良い香りがします。)

まずは神棚を祀ってもらえたら

今の所うちは次の代がいないんです。神社に行って御札はもらいはるけど、それを神棚に祀る家も減ってますしね。でも、パワースポットが人気という話もよく聞きますから、まずは氏神様を神棚で祀ってもらえたら嬉しいです。僕もできるところまでは頑張って、神具を作り続けようと思います。
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森岡神宮店
大阪市天王寺区石ヶ辻町13-18
TEL:06-6771-7081