錢屋本舗本館

錢屋の内(なか)。~大切にしてきたから良い、もの。~

高いものはよいもの。よいものは高いもの。
そういった価値観をわたしたちは持っていません。
わたしたちがお伝えしたいのは「大切にしてきたから良い、もの」です。

今回はわたしたちの事務所(錢屋本舗本館2階)にある戸棚をご紹介します。

戸棚のガラスと引手という方が正確かも知れません。当館の竣工時から使われてきた戸棚でしたが傷んだ本体は再利用できない部分がありました。それでもガラスは残しておき、枠だけを新たに作って嵌め直してもらいました。昭和30年代の型ガラスは独特な雰囲気があります。

また、傷んだ本体と一緒に引手は処分してしまいましたが、なんと当日同じ引手が同じメーカーで同じ品番で現在も製造されていました。それそのものが驚きであり大変嬉しくもあるのですが、実際に手を掛けてみると古い引手の方が角がきちっと立っていてシャープな感じです。率直に言って古い製品の方が質感は上といえます。50年前のミニマルデザインを残そうとする姿勢の素晴らしさと品質を保つことの難しさを考えさせられます。

50年間以上、大切にされてきたモノですから、これからも50年以上は残すつもりで大切にしたいと思っています。