錢屋本舗本館

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世界の万年筆で、自分と向き合う時間を楽しむ

「このペンキャップを覗いてみてください。」そう言われたのは、世界中の文房具・職人たちを見て回り自身が愛するブランドをセレクトし販売するjetsetter株式会社の村雲伸二さん。教えていただいた通り覗いてみると、そこには美しい瑠璃色が広がっていました。そう、これはこのキャップの奥にイタリア・カプリ島の「青の洞窟」をイメージし作られた万年筆だったのです。その時も写真で撮影してみましたが、皆さまにこの美しさを届けるには程遠く「直接見ていただきましょう」となりました。

(ノートの上にあるのはヴェネチアン・ガラス製の万年筆)

文房具は子どもの頃から一時は入れ込み、コレクションした経験がある人が多いのではないでしょうか。その理由はおそらく様々あると思います。しかしながら時代が進む中で残念に思うことが、「使い捨てが増えたこと」「デジタル化が進み、文房具に触れる機会が減ったこと」です。だからこそ「コレクションする必要もない、大切なものを使い続けよう」という気持ちが宿りました。(個性ある万年筆たちを見ていると集めたくなるのも事実ですが)

村雲さんは丁寧に各国それぞれ特徴のあるモノづくりについて、文化とともにお話しくださいました。中でも印象的だったのがイタリアとドイツの考え方の違いです。もちろん「すべて」ではないということが前提ではありますが、イタリアは工業製品ではつくることのできない手作り感を大切にし、冒頭のような仕掛けを潜ませる・・・、とモノづくりを楽しみます。ドイツは無駄なものは省き、機能・デザイン性を重視するようです。確かに両国を代表する万年筆を2本並べてみるとその特徴と言われるものが表現されており、説明と合わせて見比べる面白さがあります。

万年筆の美しさやモノづくりのお話はあるのですが、お伝えしたいことのもう一つは「ペンを持つ時間こそ自分と向き合う大切な時間」であるということです。手紙を綴るペン、日記を書くためのペン、メモをとるためのペン・・・。綴る内容によって持ちたくなるペンを選んでみることも豊かな時間かもしれません。特別な日でなくても何気ないことをそっと書き記して渡したり、自分に手紙を書くように心の中を整理したり。そんな時に思い入れのあるペンを持ちちょっと「書く時間」をつくる、これは心に余白がなければ無駄な時間として捉えられるかもしれません。でもきっと、メッセージが届いたその人は、「ペンをとる時間をつくってくれた」という背景にも心を熱くするのではないでしょうか。ペンの美しさには作り手、使い手の想いが宿るもの。余白時間をつくる気持ちで一本のペンを選んでみませんか?

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【世界の万年筆で、自分と向き合う時間を楽しむ】
会期:2021年7月24日(土)~7月30日(金)11:30~18:00
※7月26日(月)お休み
会場:錢屋ギャラリー 入場無料 販売あり