決めつけや思い込みの枠を自力で超える
科学、技術、工学、芸術、数学に重点を置いた総合的な教育である(各頭文字を取った)STEAM教育が、問題解決や批判的思考、創造性の点から現代社会に必要とされるスキルを養うとしてアメリカ合衆国を中心に20年程前に提唱され、最近は日本でも広がりを見せています。一方で日本の義務教育は主教科が国語、算数(数学)、理科、社会、英語。副教科は音楽、美術、(保健)体育、家庭科、技術と元々多岐に渡ります。自国の教育方法を他国から学ぶ前に、そもそも主と副という重要度の度合いを勝手に決めつけることをやめ、主教科を中心とした受験勉強一辺倒の教育を見直すべきだと思います。
日本では自然をモチーフにしたデザイナーとして有名なイギリス人のウィリアム・モリスは、詩人で社会活動家でもありますが、労働、芸術、社会、自然を並列に切り口として語り、理想の社会の在り方を提唱しました。これは後に日本の民藝運動にも影響を与えました。150年程前の話です。世の中に境目はありませんから、専門と称してジャンルに留まる人ばかりでは豊かな社会は創り出せないのだと思います。(文・正木)

