専有より共有 分かち合える豊かさ

 錢屋カフヱーをはじめとして錢屋本舗本館には古いレコードプレーヤーや真空管アンプ、大型のスピーカーがあります。中古店で状態の良いものを見つけると、前の所有者がどれほどそれを大切にしてきたのか、そこに込められた思いのようなものを感じることがあります。だからこそ、今こうしてこの状態でここにあるのだ…と、会った事もない前の所有者に対する感謝の気持ちすら湧いてきます。それは、自分もこれを大切にして次の誰かに残さないといけないという気持ちに繋がります。
 買ってしまえば自分のモノです。でも、今までそれを大切にしてきた人や、自分が手放した後も大切にしてくれる人らと、時を越えて共有する大切なモノなのだという感覚でいたいと思います。専有することが豊かだという思い込みに縛られたくはありません。むしろ共有する豊かさも大切にしたい価値観です。(文・正木)